それは遠くない未来に
2010年10月19日 雑記先日某新聞に物の価格がまた下がっているー要はますますデフレ状態になっているーという記事が載っていた。
ところが・・・私的にはこれが大変疑問である。
本当に今はデフレ進行中なのか?
ちょっと前の日経だったか円高還元セールをしている大手スーパーは実は還元できるほどの円高メリットを受けていないむしろ赤字でセールをやっていると言う記事を見た。これは私は妥当だと思う。円高だから外国製品が安く買えると考えるのは単純すぎるのだ。
1ドルの物を100円払って買うか80円で買うか考えれば80円で買った方が安いに決まっている。ところが・・・貨幣価値は変動するのである。今が80円であっても100円の時もある、120円の時もある。メリットが大きいと言うことはその反対に動いた時にデメリットが当然大きくなるのだ。わかっているデメリットに何も対応していないというならば大企業にはなれない。
リスクを少なくするためには円でもドルでもその時に有利な方を利用できるようにしておくことが一番簡単だろう。円建てで考えるかドル建てで対処するかである。
今が問題なのは為替がほんの2・3年前からすれば急激に一方に偏りすぎたということだ。大抵の企業はおそらく90円をそのさかいにして来ていたと思う。3年前は120円前後だったからその90円を超えるなどそう簡単にくる事態ではなかったはずだ。
結果、90円を超え80円台前半になった今となってはその90円からの為替差分損をして仕入れをしていると言う現状を生み出すことになった。還元セールなど本当の意味で出来ている企業はほんの一握りしかない。
円高だから外国製品は安く買えるでしょ?とスーパーに期待しすぎるには今はもう適さない時期に来ていると言える。
更にもう一つ、私が気になっていることがある。特に食料品に言えるが輸入食料品の多くが2・3年前に比べ原料も製品も格段に高くなっていると言う事実だ。
かなり前、外国人が日本での生活で疑問に感じたことを書いてあるブログを読んだ。
赤信号で車が必ず止まるとか列にきちんと並び横入りすることがないといった日本では当然と言ったことも多かったが、面白いなと感じたことは外国製の食品が国内産より安いと書かれていたことだ。
当たり前にスーパーに行っている日本人は不思議に思わないだろう。ただ見方を変えれば輸送費や関税が掛かって到着する外国産食品の方が高いと考える外国人の思考の方が正論に違いない。実際多くの外国ではそう言う状態なのだから。
たまたま日本では自国の作物の方が外国産の同じ作物より質がよいとされるケースが多いので逆転現象が起きているだけだ。
私の勤めるのは食品会社だ。国産と銘打った商品は国産の原料を使っているがそうでない物には殆ど外国産の物が入っている。そして多少の波はあるがここ2・3年急激にその価格が上がっている。
特に顕著なのが中国産だ。毒餃子事件以降上昇率が止めどもない。
中国では今毎日100人の金持ちが生まれているという。もちろん貧しい暮らしをしている人も数多くいるが中国の金持ちという人種は日本の金持ちよりもずっと規模が大きくなっている。
日本は80年代頃、全てが中流以上と言われていた。日本で当時言った中流は世界でみれば十分恵まれた生活が出来るレベルだった。
しかし今日本ではその中流が減っている。資産家と言われる人間は確かにいる。資産を持った企業も幾つもある。しかし貧しいと言うべきレベルの人間が多く生まれだし、かつての中流は資産家に近いレベルから貧困レベルに近い方へだだすべりしてきている。
よりデフレが進行したというのはまだ生活のレベルを落とせる人間がいてその人達がより安い物に手を出し始めた、と言うことと同じなのではと思ったりする。
中国から日本に輸入されていた食品はかつては中国では手が出せない高級品であった。(たとえ日本の同じ物より安かったとしても、だ)
しかし今中国は世界第2位の経済国となった。国内を動く貨幣数量は日本を上回っている。その為かつての高級品を普通に手に取ることが出来る人々が多く出てきた。
毒餃子事件の時、日本への輸出が止まって中国は困っただろうか?いや、そんなことはなかった。困ったのはむしろ中国原料に頼っていた日本国内メーカーだ。中国は日本への輸出が止まっても別に売り先に困ることはなかった。自国でも消費できるようになっていたし、日本以外の国に輸出することは出来たのだ。むしろあの時中国の生産者や工場は思っただろう、日本ほど品質や形状に五月蠅い国はない、こんな手間を掛ける位なら少し位安くても他の国に売った方がメリットは大きい、と。
例えばアスパラなら日本に輸入する時太さで何ミリと言ったように規格に分けられる。果実や芋などは大きさによって仕分けられそれぞれ別々に値段がつく。その為には選別や洗浄、加工という手間が掛かる。
日本以外の国ならアスパラならアスパラという商品だけで発送できるのだ。大きさも太さもバラバラに重量だけで簡単に処置できる。
まして自国で消費するのならそこまで気を遣う必要もない。そして今中国は高級品を消費できる十分なマーケットがあるのだ。
そんなわけで今や中国産の食品の価格はうなぎ登りだ。円高だからかろうじて今の日本の市場に響いていないが、2年前の水準であればとても高くて手が出せない状況が現在である。
そして一方毒餃子以降日本原産の原料が見直され価格が上げ止まり状況が続いている。以前より価格が上がっても作付けはそれほど増えていないから増産も価格が下がる要素もない。
アメリカや欧州の景気が悪すぎて日本の円が高くなっている今である。円高過ぎて輸出産業は壊滅的である。いずれ日本の景気感の方が米欧を下回り今度は一気に円が暴落する。
その時・・・もやは日本には外国産の食料品を買う余裕はなくなっているかもしれない。そうなれば自国の作物だけでまかなわなければいけないがまかなえるのは米だけである。
一気にインフレが進み貧困生活者が倍増することになる。そうなれば・・・もう日本という国は立ちゆかなくなる。
考えてみれば日本で買う外国産の食料品が安いというのは日本より貧しい国が多かったという状況からきている。それはあまりにも歪んだバランスの上に成り立っていたのだと。
今のデフレを止める手立てを政府は見つけられないと言う声を聞く。しかしそんな必要もないほどデフレ状態からいきなり抜け出ざるを得ない状況が実はもうすぐに迫っているのではと私は思う。
ニュースではあまり取り上げられないがその辺りのことを気にしていないとある日突然多くの食料品が口に出来なくなるという事態に直面することになるかもしれない。
ところが・・・私的にはこれが大変疑問である。
本当に今はデフレ進行中なのか?
ちょっと前の日経だったか円高還元セールをしている大手スーパーは実は還元できるほどの円高メリットを受けていないむしろ赤字でセールをやっていると言う記事を見た。これは私は妥当だと思う。円高だから外国製品が安く買えると考えるのは単純すぎるのだ。
1ドルの物を100円払って買うか80円で買うか考えれば80円で買った方が安いに決まっている。ところが・・・貨幣価値は変動するのである。今が80円であっても100円の時もある、120円の時もある。メリットが大きいと言うことはその反対に動いた時にデメリットが当然大きくなるのだ。わかっているデメリットに何も対応していないというならば大企業にはなれない。
リスクを少なくするためには円でもドルでもその時に有利な方を利用できるようにしておくことが一番簡単だろう。円建てで考えるかドル建てで対処するかである。
今が問題なのは為替がほんの2・3年前からすれば急激に一方に偏りすぎたということだ。大抵の企業はおそらく90円をそのさかいにして来ていたと思う。3年前は120円前後だったからその90円を超えるなどそう簡単にくる事態ではなかったはずだ。
結果、90円を超え80円台前半になった今となってはその90円からの為替差分損をして仕入れをしていると言う現状を生み出すことになった。還元セールなど本当の意味で出来ている企業はほんの一握りしかない。
円高だから外国製品は安く買えるでしょ?とスーパーに期待しすぎるには今はもう適さない時期に来ていると言える。
更にもう一つ、私が気になっていることがある。特に食料品に言えるが輸入食料品の多くが2・3年前に比べ原料も製品も格段に高くなっていると言う事実だ。
かなり前、外国人が日本での生活で疑問に感じたことを書いてあるブログを読んだ。
赤信号で車が必ず止まるとか列にきちんと並び横入りすることがないといった日本では当然と言ったことも多かったが、面白いなと感じたことは外国製の食品が国内産より安いと書かれていたことだ。
当たり前にスーパーに行っている日本人は不思議に思わないだろう。ただ見方を変えれば輸送費や関税が掛かって到着する外国産食品の方が高いと考える外国人の思考の方が正論に違いない。実際多くの外国ではそう言う状態なのだから。
たまたま日本では自国の作物の方が外国産の同じ作物より質がよいとされるケースが多いので逆転現象が起きているだけだ。
私の勤めるのは食品会社だ。国産と銘打った商品は国産の原料を使っているがそうでない物には殆ど外国産の物が入っている。そして多少の波はあるがここ2・3年急激にその価格が上がっている。
特に顕著なのが中国産だ。毒餃子事件以降上昇率が止めどもない。
中国では今毎日100人の金持ちが生まれているという。もちろん貧しい暮らしをしている人も数多くいるが中国の金持ちという人種は日本の金持ちよりもずっと規模が大きくなっている。
日本は80年代頃、全てが中流以上と言われていた。日本で当時言った中流は世界でみれば十分恵まれた生活が出来るレベルだった。
しかし今日本ではその中流が減っている。資産家と言われる人間は確かにいる。資産を持った企業も幾つもある。しかし貧しいと言うべきレベルの人間が多く生まれだし、かつての中流は資産家に近いレベルから貧困レベルに近い方へだだすべりしてきている。
よりデフレが進行したというのはまだ生活のレベルを落とせる人間がいてその人達がより安い物に手を出し始めた、と言うことと同じなのではと思ったりする。
中国から日本に輸入されていた食品はかつては中国では手が出せない高級品であった。(たとえ日本の同じ物より安かったとしても、だ)
しかし今中国は世界第2位の経済国となった。国内を動く貨幣数量は日本を上回っている。その為かつての高級品を普通に手に取ることが出来る人々が多く出てきた。
毒餃子事件の時、日本への輸出が止まって中国は困っただろうか?いや、そんなことはなかった。困ったのはむしろ中国原料に頼っていた日本国内メーカーだ。中国は日本への輸出が止まっても別に売り先に困ることはなかった。自国でも消費できるようになっていたし、日本以外の国に輸出することは出来たのだ。むしろあの時中国の生産者や工場は思っただろう、日本ほど品質や形状に五月蠅い国はない、こんな手間を掛ける位なら少し位安くても他の国に売った方がメリットは大きい、と。
例えばアスパラなら日本に輸入する時太さで何ミリと言ったように規格に分けられる。果実や芋などは大きさによって仕分けられそれぞれ別々に値段がつく。その為には選別や洗浄、加工という手間が掛かる。
日本以外の国ならアスパラならアスパラという商品だけで発送できるのだ。大きさも太さもバラバラに重量だけで簡単に処置できる。
まして自国で消費するのならそこまで気を遣う必要もない。そして今中国は高級品を消費できる十分なマーケットがあるのだ。
そんなわけで今や中国産の食品の価格はうなぎ登りだ。円高だからかろうじて今の日本の市場に響いていないが、2年前の水準であればとても高くて手が出せない状況が現在である。
そして一方毒餃子以降日本原産の原料が見直され価格が上げ止まり状況が続いている。以前より価格が上がっても作付けはそれほど増えていないから増産も価格が下がる要素もない。
アメリカや欧州の景気が悪すぎて日本の円が高くなっている今である。円高過ぎて輸出産業は壊滅的である。いずれ日本の景気感の方が米欧を下回り今度は一気に円が暴落する。
その時・・・もやは日本には外国産の食料品を買う余裕はなくなっているかもしれない。そうなれば自国の作物だけでまかなわなければいけないがまかなえるのは米だけである。
一気にインフレが進み貧困生活者が倍増することになる。そうなれば・・・もう日本という国は立ちゆかなくなる。
考えてみれば日本で買う外国産の食料品が安いというのは日本より貧しい国が多かったという状況からきている。それはあまりにも歪んだバランスの上に成り立っていたのだと。
今のデフレを止める手立てを政府は見つけられないと言う声を聞く。しかしそんな必要もないほどデフレ状態からいきなり抜け出ざるを得ない状況が実はもうすぐに迫っているのではと私は思う。
ニュースではあまり取り上げられないがその辺りのことを気にしていないとある日突然多くの食料品が口に出来なくなるという事態に直面することになるかもしれない。
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