衆議院議員城内実氏のブログが炎上に近い状況だ。
発端は彼が書いた女子フィギュアスケートの結果に対するコラムだ。

韓国のキム・ヨナ選手は早くからカナダで練習するなどオリンピックで金メダルを取るために大変努力した。浅田選手など日本人選手は努力が足りず完敗であった・・・と言うような事が書かれていた。

おそらく文面の最後にちらっと出てくるスポーツ振興にもっと国を挙げていかないと・・・ということを言いたかったと推測するが、書き方が悪すぎた。

選手に対し「お疲れ様」などのねぎらいの一つもない。そもそも日本代表選手の名前を間違えている。明らかにフィギュアスケート競技の知識が無く点数や諸々新聞テレビなどで報道された程度の情報のみで自己の理論を展開している・・・などなどオリンピックなど大きなイベント事の時に良く見かける世間の話題に乗ってみた素人の文章だ。

私はたぶん書かれてからそれほど時間の経っていない頃にそれを見た。フィギュアはかなり好きなのでそれ関係のブログやニュースを渡っている内に引っかかったのだ。

読んで最初に思ったのは「この人東大卒で元官僚で勉強は出来るだろうけどバカだったんだな~」というものだった。
別に軽蔑したわけでもないし怒ったわけもない、ただ多少の呆れと同情を感じたくらいだ。少なくても自分の関心のない事例については無知なんだと言うことがよくわかったからだ。
その時にもすでにコメントは付いていた。中にはかなり詳しい方が無知な議員にフィギュアスケートのルールや採点方式の問題点などを説明しているものも幾つかあった。そう言ったコメントを読めば自分の無知加減や選手やコラムの読者に不快に感じさせたことが理解できるだろう。
きっとそのうちコラムを取り下げるか謝罪コメントを出すのだろう、と当初はたいした事じゃないと思った。
時事ネタによく知らないながらも自分なりの意見をつけたいのは世間ではよくあること。代議士でありながらといわれればそうかもしれないが口が滑ることは誰にだってある。

しかしながらその後コラムに1,000近くのコメントが付きながら一向に静まることはなくむしろ時間が経つ程に燃え上がってしまっている。
それは次のコラムとコメントをもらったことに対する文章が私の予測したことと全く違っていたためだ。

次のコラムは女子パシュートの銀メダルに他者の言葉を借りてつめが甘い、執念に差があると切り捨てている。一応その後に次は金メダルを取って欲しいと書かれているがその文面から選手に対する敬意が感じられない。
あげくに、ルールがどうのこうのと言う前に勝たなければしょうがない、国際オリンピック協会に日本人に不利なルール変更については適時適切に申し入れすると同時に、日本選手が精神面でも強くなって欲しい・・・と続く。

この次のコラムを目にした時、前の時に感じた自分の感覚は間違っていたとおもった。この人は(うっかりさんな)バカではなく真性の馬鹿なのだ、と。
読者からの親切な忠告や間違った認識に対する諫言は全く通じていなかったのだ。

決勝戦まで何レースもこなし勝ち上がった選手達が「精神面で弱い」のか?それではその日本に負けた他の国々は?精神的に弱い存在なのか?他の国ではどうかわからないが日本では少なくても競技で勝っても負けても相手を尊重するのではなかったか?
勝つことだけが目的であるならメダルは金だけで良い。金メダルを与えることがそもそもオリンピックの精神なのか?

それだけではない。不利なルールの変更を申し入れしていく・・・など終わった後に言うなら誰でも出来る。
今までそれだけのことをしてきたのかどうか、何故現状がこうなのか、その原因がどこにあるのかと突き詰めていけばこの国を動かしてきた政治家にも行きあたるはずだ。その一角を担う立場にありながら選手を守れなかったことに対し謝意を示すこともなく軽々しく結果だけで勝たなければ意味がないという。

流石にこの文面を見た時には頭を抱えた。私は静岡県民だ。城内氏の選挙区ではないが郵政選挙前後から話題になる氏のニュースは他県の人よりはよく見てきた。不遇の時代があり再選という結果に頑張って欲しいと期待した一人である。
だからこそこのパシュートのことを書かれたコラムにはひどく腹が立った。

上記のオリンピックの話題の後は自身の選挙の話に続く。
曰く、郵政選挙の時に敗れたのは自分の努力が足らなかったからで、前回の選挙で勝ったのは努力したからだ、と。

これには開いた口が塞がらなかった。自分が努力したから選挙で勝った、本気でそう言うのなら議員バッジを外すべきである。それは氏に投じた1票1票に、そして氏以外の人に投じられた1票1票に対する冒涜である。

城内氏は自身を信念の人と呼び理解を求めている。このコラムもどうやらその信念に従って書かれたものらしい。中途半端な認識による理解でも絶対的に正しいと信じているようだ。
信念・・・といえば聞こえが良いが、見方を変えればただの思い込みすぎない。真っ直ぐであればあるほどものの本質からそれやすく世界が狭くなる。
今回も数多くの批判や忠告がされたが、どうも罵詈雑言としか受け止められなかったようだ。匿名でも良いのでご意見をとブログに謳いながらいざ批判が増えると「実名で書くべきだ」とくる。どうやら自分に少しでも誤りがあるとは思ってないらしい。

最初のコラムのコメントをつけた多くの人々はあおりや中傷ではなく、フィギュアスケートが好きで一方的な氏の言葉に意見を書かずにいられなかった人だ。いわば最も一般的な市民だ。彼らが求めていたのは偏見的な氏のとらえ方の訂正と代表選手に対する敬意と愛情だったはずだ。
「自分の書き方が悪く不快にさせてしまってすみませんでした」などの誠意ある謝意が見られればこんな事にならなかった。

過去、周囲で色々ともめ事が起こってきたのはひとえに氏のこういった独善的なものの考え方から来ているのではないか・・・どちらかと言えば好意的に受け止めていたが、こう人の話に耳が貸せないのであれば政治家としても人間性でも致命的であると言うしかないだろうと思った出来事だった。



コメント

せきやん
2010年3月4日23:31

お出でいただきまたリンクいただき重ねて有難うございました。
還暦まじかのリタイアした田舎の爺目でございます。
破天荒の人生経験を語っています
ただ物言いが上手く出来ず今の言葉で言う上から目線らしくてコメントが出来ず恐怖症気味です。
お心広くお許しください。
よろしくお願いいたします。

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