残業はよほどのことがない限りすべきではないと思っていた。必要のない残業をすることは会社にとって余計な経費を必要とすることになるから。
だから出来るだけ時間内に仕事が終わるように考えて仕事をしてきている。仕事量が日によって変わることも考慮して忙しい日で先に出来ることがあれば暇な日にあらかじめやっておくようにしたりして・・・
だから逆に忙しい日で出来ればもう少しやりたいと思っていてもどうしてもその日にやらなければいけないものでなければ残って仕事をやらないようにしていた。その為に翌日死にそうに忙しくなった事も何度もあったがそれはそれで仕方ないと思っていた。

そんなわけで私の残業は1年を通してほぼ月初めと月末に限られている。余計な経費を掛けないことが事務員として正しいことだと思っていたからだ。

もっともそう思っていたのは私くらいで同じ会社にいる事務員の中で一番早く帰るのは大抵私だ。
中には工場の行程の都合や店舗の入金関係でどうしても定時に帰れない人もいる。だが単純に仕事が遅いまたは仕事のこなし方が悪いことでだらだらと遅くなっているように思える人もいる。まぁそれに対して意見するのは会社だから私は特にそのことに関心を持っていなかった。

しかし今日思いも掛けないことを上司に言われた。
「定時に帰れるなら他の人の仕事を手伝ってやって」と。

一瞬、言葉の意味が受け止められなかった。が、その次の瞬間色んな考えが巡った。
「私は残業しないよう時間内でやりくりをしているだけで別にやる仕事がない訳じゃないですが・・・」
「でも殆ど定時で帰るよね。みんな残ってるのに毎日先に帰るってどうかな。今忙しい時期で他の工場の事務もこっちでやっているから遅くなっているんだよ」

それは私もわかっている。なぜなら私もその影響を受けているから。昨日など他の工場から回ってきた仕事だけで私の仕事は殆ど出来なかった位だ。それでもその日にやらなければいけないことだけはやって残りは翌日にやろうと時間を計算しながらこなしているのだ。それをまるで楽をしているように言われるのは心外だ。

仕事が遅い人が遅くまで残業してこなすことを頑張っていると私は言いたくない。その人なりに頑張っているかもしれないが、その分の残業代は会社の負担になる。
仮にサービス残業にすると言うことになってももし監査が入った場合に問題になるかもしれないし、何かの折りにあんなに仕事をしてもお給料が少ないなどと言う会社に対する不満に発展することもある。どうしても残業しなければならない日がある以上、(クレームなどの突発事項があった場合はともかく)残業は絶対しないと決める日も必要だ。

だからこそ多少無理をしても残業しないよう仕事をしてきたつもりだったが、そんな風に上司の目には映っていたのかと思い知るとひどく脱力感を感じてしまう。
頑張っても認められないことがよくあることは十分理解しているが、改めてその現実を目の当たりにすると生きていくことは本当にむなしいことの連続だなと思い知る。

いっそのことだらだらと遅くまで仕事しててやろうかとも思ったが、気分の悪いままいつまでも会社にいたくないので結局今日も先に帰ってしまった。忙しいから手伝ってと言われるならともかくそれもなく勝手に他の人の仕事に手は出せないのに無理して残業しなくてはならないのだろうか?

経理が遅くなる日はみんな先に帰るのを何も言わないのになぁ・・・などと心の中でぼやく自分がなんだかとても嫌に思えてしまった。

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